モンゴルで生活道路の凍上対策を進める事業開始

2022.10.19

 モンゴルの生活道路を改善するため、社会環境系の中村大教授が統括する事業が始まり、10月4日にモンゴル側と第一回目の協議が行われました。舗装路下の土の凍上現象が道路の損傷に関連しているとの想定から、適切な凍上対策を提言する狙いがあります。
  事業は、北見市の提案を受け、2020年度に国際協力機構(JICA)の「草の根協力事業」として採択されました。コロナ禍で実施が延期されていましたが、感染拡大が終息する兆しが見えたため、今年8月に実施が決まりました。実施主体は北見国際技術協力推進会議で、2025年度まで行われます。
  モンゴルでは冬季の平均最低気温がマイナス20度を下回り、舗装路下の土が凍結するため、道路の凹凸や亀裂の原因とされています。しかし、地盤の凍上に関する専門家が少ないため、生活道路が荒れたままになっています。今回の事業では、モンゴルの首都ウランバートルで、舗装路下の土の凍上メカニズムを科学的に検証しながら、道路建設に携わる技術者に凍上現象に関する知識と対応策を普及させる狙いがあります。
  2022年9~10月には、中村教授や北見国際技術協力推進会議の担当者らがウランバードル入りし、JICAモンゴル事務所で、ウランバートル市道路開発局(UBRDD)やモンゴル地理学・地生態学研究所(IGG)の関係者と初の対面協議を行い、事業の中身や方向性について活発な議論を行いました。中村教授は「これまで北見工業大学が蓄積してきた寒冷地工学に関する研究成果や教育実績を活用し,凍上被害の解決に取り組みたい」と話しています。


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モンゴル地理学・地生態学研究所で行った対面協議

ウランバートル市道路開発局実験室の視察

ウランバートル市郊外のダメージを受けた道路